剣道錬士六段で指導者の、とよクマ(@toyo_kuma)です。
「剣道の面は、どんな物を選べばいいの?」
「面を知って、納得してから買いたい!」
とよクマ
結論から書くと、
- 肩を守る左右の長さがあり
- 面布団がしっかり詰まっていて
- 老舗メーカーの品(安心を買う)
- (できれば)動きやすい、十字かナナメ刺し
の面がおススメです。
面の基礎知識を付けながら、おススメの面3選まで、ご紹介していきたいと思います。
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剣道の面の基礎知識
まずは面の基礎知識と目利きのポイントを、学んでいきましょう。
細かくすべてをお伝えすると長くなるので、購入の検討で必要な情報のみに特化しています。
安全性を第一に考える
剣道の防具は身を守るための防御の要ですから、安全性を第一に考えましょう。
最近は試合で動きやすくをテーマにした、軽く短い面があります。
とよクマ
試合用や実践タイプなど名前だけで判断せずに、総合的な作りから安全性に問題がないかを確認しましょう。
- 肩が保護できないほど面の左右が短い
- 面布団が薄く(少なく)軽い
この2つがよくあるケースなので、注意しながら選びましょう。
最近では、短い面に対して規制が出ています。
装着時に面ぶとん部が、肩関節を覆っているかどうか、を見て判断します。肩関節を保護していない剣道具を使用している場合、試合後に審判員が注意するようにし、以降はその面を使用しないよう指導いたします。
竹刀及び剣道具等の安全性・公平性に関するパブリックコメントの結果について | 全剣連のお知らせ | 全日本剣道連盟 AJKF
客観的に見ると、育ち盛りの小学生の頭を棒で叩くのが剣道です。
しっかりと衝撃を吸収する、安全性の高い面を選びましょう。
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自分のサイズに合う面を選ぼう
面の採寸は、防具の中で一番細かく多くの部位を計測します。
指定の範囲を何度も確認し、今の自分に合ったサイズの面を選びましょう。
とよクマ
子供はすぐに成長するので、ひとまわりでも大きめのサイズが欲しくなりますが、安全性のためグッと我慢してください。
面の内輪のアゴの部分に手ぬぐいなどを引き、大きい面を無理につけたりするケースもありますが、やめておきましょう。
とよクマ
サイズに合わない面は、
- 衝撃で外れることもあり危険
- 大きすぎて動きづらい
- 姿勢が悪くなる(物見が合わない)
と、良い事がありません。
とよクマ
また、頭が締め付けられる中で体を激しく動かすと、とても危険です。
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物見を合わせよう

物見とは、面金が少し広くなっている部分で、ここから相手を見ます。
指導者目線で話をすると、物見の高さが合っていない子どもさん、とても多いです。
物見が合わないと、アゴを無理に引いたり上げたりして相手を見るしかありません。
とよクマ
剣道の構えの基本として、面の上部が平行になるように構えます。
顎をやや後ろ側に引くことで、正しい構えの姿となります。
物見がずれている=正しい構えでは前が見えない ので、構えが崩れる原因になります。
とよクマ
また、中古の面は物見が合わないケースが多いので、あまりおススメできません。
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mmや分などの刺し幅

刺し幅については、 剣道の防具の選び方!小学生など入門者向け基礎知識 で特集しています。
ぜひ、ご一読ください。

面は特に、頭を守る大事な道具です。
低学年は高級感にこだわらず、機能性を重視し、厚みがあり衝撃を吸収する面を選びましょう。
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面布団の厚みと品質で大事な頭を守る
剣道の面打ちは、黒い面縁を竹刀で打ちます。

ですが、小学生だと脳天(面布団を直接)打ってくるケースもあります。
また、面縁に当たった竹刀が衝撃で曲がり、面布団に当たり良い音が鳴るのが正しい面打ちです。
とよクマ
ですが、かなりの衝撃を頭に受けるのは確かです。
面布団は一見の厚みだけではなく、中身の素材と、つめ具合などで総合的に判断しましょう。
防具の布団の素材については、 剣道の防具の選び方!小学生など入門者向け基礎知識 で特集しています。
ぜひ、ご一読ください。

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刺し方の技術の違い
通常の刺し方は、ミシンであれば直線(ストレート)が一番安価です。
ストレートでも現在の技術では、使いやすく作られていますので、メーカー品を選べば硬くて使いづらいようなケースは無いでしょう。
ほかの刺し方では、
- 斜め刺し(ナナメだとなじみやすい)
- 十字刺し、格子刺し、クロスピッチ(手刺し風)
が、あります。
試合が多い高学年は、面だけでもナナメや十字などを選ぶと、動きやすさがグッと変わってきます。
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面金の種類は3種類

面金は、3つの素材があります。
軽い順に、3種類ご紹介します。
- ジュラルミン
- チタン
- 鉄
とよクマ
ジュラルミンかチタンか、になりますが、チタンの方が強度が高いと言われています。
ですが、面金が壊れるようなケースはあまり聞かないので、軽いジュラルミン一択で良いでしょう。
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剣道小学生用でおススメの面3選
基本的には通販で面を購入する場合は、老舗メーカーを選びましょう。
面は採寸を細かく測るので、サイズが合わないケースはほとんどありません。
とよクマ
母ナツ
通販の場合、万が一サイズが合わなければ、未使用に限り交換も可能だと思います。(要確認)
松勘工業の冠(7mmカンムリ刺実戦型)
松勘工業は、創業110年を超える老舗防具メーカーです。
7mmカンムリは、大人にも負けないクオリティの防具です。
とよクマ
IBBとは、アイデアル・ベスト・バランスの略称で、最も理想的な位置に重心を置くように設計された面金です。
とよクマ
また、武州紺反で染色されているので、とても美しい見た目です。
松勘工業のオリジナル技術カンムリ刺しは、手刺しに近い風合いと斜めの縫製で、なじみやすく使いやすいように配慮されています。
実戦用で肩の長さはやや短いですが、肩の保護も計算された設計なので安心です。
京都武道具の飛鋼(とびはがね)
防具業界最大手の東山堂グループの一角、京都武道具の面です。
独自の技術、フィットステッチ製法で作られており、手刺の柔らかさとコシを持つ機械刺の防具です。
とよクマ
柔らかさもあり、とてもなじみやすく使いやすい逸品です。
高柳喜一商店の武勇
高柳喜一商店は昭和8年創業の老舗防具メーカーです。
武勇は、入門者の低学年におススメの面です。
1,2年生ぐらいまでの小さな時期は、コスパに優れた武勇で十分です。
剣道の面の選び方まとめ
面は防具の中で、一番重要な部位です。
安全面では命の要とも言える頭を保護し、動きやすさでは竹刀を振る肩に直接触れる部分です。
剣道では首を大きく左右に振ったりはしませんが、試合は左右に広く動き回ります。
とよクマ
以上のことから、面は予算が許せばできるだけ良いものがおススメです。
小手に比べると、「使いすぎて消耗した(壊れた)」というのは小学生では、あまり聞きません。
とよクマ
つまり、少し良い品を買っても破損する心配はほとんどありません。
良い剣道、正しい動作の剣道をするには、体に合った使いやすい防具が必要です。
とよクマ
母ナツ
最後になりますが、この記事で良い面の買い物につながれば、これほどうれしいことはありません。
ほかにも防具について色々な記事を書いていますので、ぜひご一読ください。
