剣道錬士六段で指導者の、とよクマ(@toyo_kuma)です。
「剣道の構えをじっくりと学んでみたい!」
「剣道の構えのコツがあれば知りたい!」
とよクマ
母ナツ
この記事をご一読いただけると、構えについて十分な知識が身につきます。
- 中段は水の構え
- 水は相手によって柔軟に自分のカタチを変える
- 身構えと心構えに分かれる
- 左手、左足、左腰が中心
- 秘伝の構えのコツ
とよクマ
知識を付けたら、あとは稽古あるのみです!
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剣道の中段の構えは水の構え
剣道の構えは5つありますが、99%が中段の構えで残り1%が上段の構えです。
初心者から上級者まで、ほとんどの剣道人が中段で構えます。
とよクマ
母ナツ
- 中段(水の構え)
- 上段(火の構え)
- 下段(地、土の構え)
- 八双(陰、木の構え)
- 脇(陽、金の構え)
とよクマ
母ナツ
さて、それでは五行の構えの中で中段は、どのような位置づけの構えなのでしょうか。
中段は別名、水の構えといわれています。
水は方円の器に従う ことわざがあるように、水は相手に合わせて柔軟にカタチを変化させます。
とよクマ
また、孟子の言葉で「水の低きに就く如し」のことわざがあります。
水は高いところから低いところに流れる、つまり自然の摂理は変えられない意味です。
中段も同じように、相手に逆らわず勝つのが極意です。
とよクマ
母ナツ
剣道の構えには身構えと心構えがある
剣道の構えは、大まかに分けて心構えと身構えの2つにわかれます。
- 心構え=気持ちや心など内面的な部分
- 身構え=見た目やカタチなど外面的な部分
とよクマ
母ナツ
2つの構えを、もう少し詳しく学んでいきましょう。
心構え
どれだけ正しいカタチで構えても、心の準備ができていなければ何もできません。
とよクマ
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心構えのむずかしいところは、経験が重要になってきます。
心の強さや置きどころが重要になってきます。
心の置き所とは、どんな気持ちや心境で、剣道の稽古や試合に臨むかのような意味です。
とよクマ
「構えあって構えなし」
と宮本武蔵が有名な教えを残しています。
とよクマ
ある意味では、整ったカタチ(身構え)よりも、経験値から導き出された心構えのほうが大事なのです。
最初のうちは心構えを考えるととても混乱しますので、頭の片隅に置いておくのがおススメです。
ただ、知っているか知らないかの違いが、後々かなりの差となります。
とよクマ
- 大きな声を出して気持ちいっぱいの稽古をする
- 常に自分の心と向き合う
- 剣道以外の時間で自分に厳しく
この3つを大事にすると、自然と心も鍛えられるでしょう。
身構え
身構えは、剣道の教えに沿った普遍的な構え方です。
とよクマ
体に合わせて多少の違いはありますが、大きく個性が出るような構えはありません。
身構えにクセがあると、メリットはひとつもありません。
とよクマ
- 構えがくずれていると素振りや技もくずれる
- 横から竹刀を握っていると小手や面がガラ空き
- 剣先(剣線)が高いと圧力を感じない
- なんだか見た目がイマイチ
ぼくが感じるのは、以上の4点です。
よくないクセを後から直すより、最初から正しい動作を身に付けるほうが得です
とよクマ
剣道の構えは左手左足左腰がエンジン
構えで一番意識したいのは、体の左のラインです。
右手前の右足前なので、右が中心になるかと思いますが、実は中心は左です。
とよクマ
左足は体全体を前に押し出しますし、左手は打突力を生み出します。
左腰は体全体の安定感につながります。
右腰が前に流れると、動作は安定しません。
とよクマ
剣道の構えのコツ
上で書いたイメージと意識を大切にしながら、具体的に身構えのコツを学んでいきましょう。
やや右半身に構える(ほんの少し)
さきほど左のライン(左足・左腰・左手)が重要と書きましたが、構え自体はやや右半身となります。
とよクマ
左側を前に出し、しっかりと相手に正対して向き合うと、瞬時の動作が出にくくなります。
- 左手の位置が詰まって技が出しにくい
- 瞬時に足を出しにくい
相手に正対するより、やや右半身のほうが、体すべての力が抜け動きやすくなります。
ただ、必要以上に右半身になると体が流れてしまい動作が安定しなくなるので、本当にごくごくわずかです。
とよクマ
母ナツ
よく腰を入れて打て!特に左腰を!
と聞きますが、本当に左腰をキッチリと相手に正対して向けるのは、実は正解ではありません。
左を前に出す意識をしないとすぐ右側に流れてしまうので、左腰を相手に向けるぐらいの意識でちょうどいいのです。
とよクマ
やや右半身に構えますが、打つ時には左腰を前に出すイメージをすることで、腰が入り安定した打突ができるようになります。
剣先の高さは喉からみぞおちぐらいまでで相手により変わる
先ほど、「構えあって構えなし」の宮本武蔵の教えを書きましたが、剣道でも同じです。
自分の構えに相手が合わせてくれるとは限りません。
構えは普遍的ではありますが、体や剣道のスタイルに合わせ多少の違いがあります。
とよクマ
特に剣先の高さは、人により大きく違います。
自分の剣先の高さにこだわることなく、相手の剣先と自分の剣先が触れ合う高さを心がけましょう。
基本的には剣先が触れ合わないと、竹刀の攻め合いができません。
とよクマ
構えの足のコツ
足のコツは、4つあります。
- 右足左足は相手に向かって真っすぐ
- 左足はいつでも打てる出やすい体勢
- 右ヒザはゆるませいつでも出られるように
- 右足の裏はベタ付けしない
先生によって、左足のカカトを上げすぎないように指導されるかと思います。
左足のカカトは、2,3cm程度の高さが基本です。
ですが、しばらくは見た目の高さよりも、自分の一番打ちやすい(体を出しやすい)カカトの高さを大事にしてください。
とよクマ
ただ、一般的にはカカトを下げることで、
- ふんばりがきく
- 左足に重心が乗ることで右足が動かしやすくなる
- 体全体が安定する
- 前に出る力が入りやすくなる
効果があります。
とよクマ
左足が動力源(エンジン)だとしたら、右足はタイヤです。
とよクマ
右足はベタ付けせず、体重を乗せすぎないようにしましょう。
意識として、左足7:右足3ぐらいの体重のかけ方が理想です。
とよクマ
多少は前のめりになっても、自分の剣道のスタイルに合っていればOKです。
とよクマ
母ナツ
足がひらくと良いことがなく、足のすべての力を使えず、思うように体を前に出せません。
初心者でも、足は必ず相手に向けてまっすぐ前を向かせる意識をもちましょう。
構えの上半身のコツ
下半身(足のコツ)の次は、上半身のコツです。
- おへその下あたりの下腹に力を入れる(丹田)
- 体をまっすぐにして猫背にならない(姿勢よく)
- 顎を水平に少し後ろに引く
- 肩、ひじ、手首、手の内は力を入れず柔らかく
- 肩を自然に開き肩甲骨を少し内側に寄せる
とよクマ
母ナツ
さて、剣道において体の中心ってどこ?と聞かれると、間違いなく丹田です。
丹田に力を入れることで、姿勢や態勢が安定します。
丹田は気(エネルギー」の中心地です。
力は絶対に抜かないようにしましょう。
とよクマ
母ナツ
とよクマ
構えの左手のコツ
- 左手はへその前に親指の付け根の関節がくる位置
- 左手は下腹からこぶし1個分ぐらい離す(個人差アリ)
- 中心よりほんのちょっとだけ左でもOK(手首が詰まらない程度)
左手の位置は、手の長さで変わります。
- 手が長めの人は少し前に
- 手が短い人はやや手前に
正しい構えは、ある意味では理想的なカタチです。
自分の身体に合った構えを見つけましょう。
特に左手の位置は重要で、左手が安定しないと剣道すべてが安定しなくなります。
とよクマ
母ナツ
左手の位置は、無理をして体の中心に置こうとしなくてもOKです。
ほんの少しだけ(1cmぐらい)左側にズレるだけで、手首がラクに使えます。
目線は相手の目を見ながら全体を見る
剣道では、ひとつの部分だけ集中して見ると意識がもっていかれ、逆に相手に対応できなくなります。
そこで、「遠山の目付」の教えがあります。
遠くの山を見るような感じで、細部にこだわらず全体をみることで、より視野が広くなります。
次第に相手の体から、気持ちまでも感じとることができるようになります。
とよクマ
竹刀の握り方のコツ

- 竹刀は上から握るイメージ
- 剣先の位置は無理なく相手の中心を制するイメージ
竹刀は基本的に上から持ち、親指と人差し指の間の付け根が、竹刀の柄の中心(縫い目)をとおるイメージです。
イメージ的には、チョキ(じゃんけん)の要領で握っています。
とよクマ
母ナツ
力加減は、たまごを持つぐらいがいいです。
力を入れすぎずに竹刀を持ちましょう。
剣道の構えのコツ【初心者向け】大切なポイントまとめ
構えは、基本を守りつつ基本にとらわれすぎないのが大切です。
それぞれ体の大きさや性格によって剣道のスタイルは違います。
自分なりに一番打ちやすい構えを追求しましょう。
とよクマ
構えあって構えなし の教えを大事にしましょう。
ただ、極論でどんな構えでも打てれば良いかといえば、それはダメです。
剣道は武道です。
とよクマ
不思議と試合も勝ちあがるごとに、変則的な剣道は少なくなりますよね。
意外とですが、我流より昔から受け継がれてきた体系的な教えが一番強いのです。
剣道は、発展途上ではなく完成している姿だと考えていいと思います。
とよクマ
ただ、正しい動作を「どう使うか」は自分次第です。
「どう使うか」には、自分なりのオリジナリティが要求されているというむずかしい話はさておき、まずは正しい動作をきちんと身に付けましょう。
正しい動作を追求し、使い方を身に付けるのが稽古です。
とよクマ
とよクマ
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