剣道錬士六段で指導者の、とよクマ(@toyo_kuma)です。
「剣道の防具は、どれを選べばいいの?」
「防具の違いがわからない。納得して買いたい!」
とよクマ
母ナツ
結論から書くと、防具は身を守る大切な道具なので、ややグレードが高めの剣道具がおススメです。
また、通販や目利きがむずかしい場合は、老舗の剣道具メーカーの防具を選ぶのが安心です。
この記事を一読いただけると、防具の基礎知識と選び方が身につきます。
とよクマ
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小学生用の剣道の防具の選び方
防具は自らの身を守る大切な道具です。
剣道を改めて客観的に考えると、竹刀を持ち、お互いに叩きあう危険な競技です。
仮に防具なしで剣道をしたら、命がいくつあっても足りないでしょう。
とよクマ
きちんと身を守る防具を購入するために、まずは防具の基礎知識から学んでいきましょう。
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手刺しとミシン刺しの違い
剣道の防具は、手刺しとミシン刺しの2つに分かれます。
その名のとおり、
- 手刺しはすべて手縫い
- ミシン刺しは機械(電動ミシン)製作
一般的に剣道の防具は、2つのどちらかに分けられます。
手刺しのメリットは、ミシン刺しに比べて厚みがあり柔らかくなじみやすい…
とよクマ
結局は素材や技術もふくめ、総合的なグレードで決まります。
- 手刺しでも薄い布団(質が悪い)
- ミシン刺しでも素材や製法(手刺し風など)により柔らかい
- ミシン刺しでも厚い布団(質が良い)
- 布団(圧縮綿やクラリーノ、フェルト、毛氈)や革の質
- 職人の技術
など、単純にひとつの部分で良い品とは判断できません。
大事なのは手刺しやミシン刺しか、の製法だけではなく、
- きちんと身を守る厚みと質があるか
- 体の要所を保護しているか(面の左右や小手が短すぎない)
- 柔らかく体になじみやすいか
が、重要です。
できれば足を運んででも実物を見て、手に取って、納得して購入しましょう。
とよクマ
母ナツ
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6ミリや7ミリなどの単位はミシンの間隔(刺し幅)

防具のスペックを見ると、〇mmや〇分などの単位が必ず記載されています。
とよクマ
まず、防具の単位はミシン刺しか手刺しかで違います。
- ミシン刺し=mmを使う
- 手刺し=分と厘を使う(1.5分は1分5厘)
※1分=3mm
一般的には、数字が小さいほど高級品です。
とよクマ
では、小学生や中学生の防具は、高級品であるmmの小さな防具を買えばいいのでしょうか。
結論から書くと、特に低学年はmmの大きな(6~8mm)防具がおススメです。
見た目の美しさ(mmの細かさ)より、身を守る布団の厚さと動きやすさが重要です。
防具は糸を縫った感覚が狭ければ狭いほど、布団が薄くなります。
とよクマ
逆に縫いめが幅広いほど、布団が厚くなり衝撃吸収力がUPします。
とよクマ
mmが小さいメリットは、見た目の美しさと耐久力です。
縫い目が細かい防具だと、シャープで美しくみえるのです。
先生方の防具を見ると、何となくわかると思います。
「この刺し幅でこの値段!激安!」
こうした防具は、注意して購入しましょう。
とよクマ
質と(特に)中身の素材を、できるだけ手に取って確認しましょう。
中身の布団が少なく、とても危険な防具も世の中には出回っています。
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素材により値段が変わる
剣道具の素材は、鹿革か人工革(クラリーノ)の2種類にわかれています。
- 鹿革は鹿(動物)の皮
- 人工革であるクラリーノは鹿革を科学的に作成
した素材で、一般的には鹿革づくりが高価です。
とよクマ
しかし、最近ではクラリーノの技術が向上したので、人工的な素材とは思えないほど使いやすく進化しています。
もちろんクラリーノもすべて同じグレードとは言えないので、自分の目で確認しながら選びましょう。
ポイントは、しっかりした造りで柔らかさのある防具です。
とよクマ
最初はわかりませんが、使い込むうちに藍の色が落ちてきます。
藍が落ちた色合いが美しいのは鹿革ですが、小学生はこだわらなくても良いでしょう。
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通販は老舗のメーカー品が安心
剣道の防具も今の時代、すべてが国産ではありません。
かといって外国製が良くないかというと、そうでもありません。
とよクマ
防具に限らず、家具や電化製品も海外生産だから良くないわけではなく、良い素材と技術で作れば良い品が出来上がります。
- 近くに防具屋さんがない
- 実店舗は何となく入りにくい
ようなケースは、通販で購入するしかありません。
もし通販で購入するのであれば、
- レビューをよく読む
- 返品可能か
- 老舗メーカーの品を選ぶ
3つのポイントで購入を検討されるのが良いでしょう。
色々な通販サイトがありますが、
- 代理店でメーカーの防具を取り扱い
- 代理店でノーブランドの防具を取り扱い
2つのケースがあります。
少し値段は高くなりますが、メーカー品の防具が間違いないでしょう。
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体に合わせたサイズが重要
よく体の成長を見越して、大きめの防具を買うケースがありますが、かなり危険です。
動きにくいのでとても危険で、当然技術の習得にも弊害が出ます。
とよクマ
子どもはすぐに成長しますので、道場の先輩からのお下がりが期待できるかもしれません。
ただ、子どもでも同じような体格でなければサイズが別になるので、きちんと合うかどうか確認しましょう。
特に低学年では、おさがりを期待したいところですが、子供の心境で考えれば新品が欲しいところです。
とよクマ
さて、少し話がずれましたが、何よりも体にフィットしたサイズの防具が重要です。
親としてはすぐに使えなくなるかもしれない恐怖がよぎりますが、安全性と動きやすさを最重視し、今の体格にあった防具を選びましょう。
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女の子用の防具はなく男女兼用
小学生~中学生ぐらいまでは、女子用の防具は特別ありません。
とよクマ
大人になると自分に身体に合わせた完全オーダーメイドで防具を作るケースもありますが、子どもはサイズが決まっている規格品で十分です。
服と同じように、規格品でも必ず体にも合ったサイズがあります。
ただ、胴の色を赤にしたり、女子に多い白い防具など、見た目で選ぶのも良いでしょう。
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買ってはいけない防具
全日本剣道連盟が、防具に対して明確な規制を出しました。
装着時に面ぶとん部が、肩関節を覆っているかどうか、を見て判断します。肩関節を保護していない剣道具を使用している場合、試合後に審判員が注意するようにし、以降はその面を使用しないよう指導いたします。
竹刀及び剣道具等の安全性・公平性に関するパブリックコメントの結果について | 全剣連のお知らせ | 全日本剣道連盟 AJKF
剣道の試合は極端な話、防具が無いほうが動きやすいです。
ですが、防具がなければ試合になりません。
とよクマ
全剣連が規制を出した背景から考えると、当然ですが公式の試合の場で、安全性の低い防具の使用が横行したのです。
たしかに面は、短く肩の関節が動きやすいほど腕を上げやすく、打突に有利です。
ですが、もし面が外れ肩に竹刀が当たったら、肩に大きなケガをすることになります。
実際に小学生用の防具でも、安全性より機能性を重視した防具があります。
とよクマ
機能性を追求した防具と比較すると、全体的に厚ぼったいイメージの防具にはなりますが、本来の正しい防具です。
特に小学生は体が成長している大事な時期です。
何よりも安全性を重視した防具を選んでください。
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小学生用のおススメ剣道防具と相場
価格の目安としては、
- 低学年:3万~7万
- 中学年:5万~8万
- 高学年:7~10万
ぐらいで考えましょう。
ネット通販の相場を見ると少し高めかもしれませんが、命を守る防具です。
安全性の高い、良い道具を選びましょう。
とよクマ
小手は必ずスペアを買い 交互に使いましょう。

おススメ防具セットは老舗メーカーが安心
とよクマがおススメするのは、創業百十年を超え歴史ある大手剣道具メーカー松勘工業の防具です。
色々な防具を手に取って見て、比較検討するのが一番良いですが、
- 防具の目利きがむずかしい
- 通販で買いたいので実物が見れない
そんな時には、老舗のメーカーの品が一番安心できます。
松勘 剣道防具セット EX-81MQ 8mmミシン刺 幼年用
小学生未満~低学年におススメなのは、8mmの防具です。
まだ体が小さいので、刺し幅の広い(mmの大きい)タイプがおススメです。
2,3年でワンサイズ上の防具に買い替えになりますが、今の体の大きさに合っているようであれば、迷わず一番小さい防具を選んであげましょう。
松勘 剣道防具セット EX-69MJR/EX-69MQ 6mmミシン刺
中学年(3,4年生)におススメなのは、同じ6mmでも使いやすく見栄えの良いタイプです。
先ほど紹介した幼年用の防具とくらべ、しっかりした造りです。
中学年になると少しずつ試合も増えるので、見た目も気を使いはじめましょう。
松勘 剣道防具セット 7mmカンムリ刺実戦型 武州紺反 少年用
高学年は試合も多くなるので、動きやすい実戦型がおススメです。
カンムリ刺実戦型は、実戦型の防具ですが安全性も考慮されています。
とよクマ
カンムリ刺は松勘独自の技術で、手刺しに近い風合いで仕上げられています。
見た目も大人の防具と変わらないほど高級感があります。
高学年で試合に出る機会が多いのであれば、用意してあげたい防具セットです。
松勘 活人 総人工紺革6mm十字刺 入門 中学生~一般向け 実戦向 防具セット
体の大きい高学年であれば、中学生用の防具を買うのもおススメです。
とよクマ
ちなみに、中学生以降は「中学・高校一般向け」と、大人用の枠組みとなります。
無理して小学生のうちまでは…などと考えず、体にあった防具を付けるようにしましょう。
とよクマ
その名のとおり、十字に縫うので手差し風で付け心地が良く、動きやすいです。
松勘 6mmミシン刺 EX-68M 中学生~一般用 剣道防具セット
中学生でも一般的な6mmのミシン刺し防具で、十分な性能です。
厳しい部活や道場、強豪校でなければ、一般的なミシン刺しで3年間問題なく使えます。
改めてですが、剣道は竹刀で叩きあう競技です。
とよクマ
3年間しか使わないし、部活だから一番安い防具で…は、危険です。
きちんと身を守る、安全性の高い防具を用意してあげましょう。
小学生用の剣道の防具を部位別に詳しく解説
防具の部位別の選び方をレポートしています。
個人的にはセットで買うより、単体で買うのがおススメです。
ひとつひとつの部位を納得しながら買う方が賢いです。
とよクマ
防具は、最初から一気にすべてを装着しません。
使う時の体の大きさに合わせて入手するのが良いでしょう。
とよクマ
面(めん)
剣道の面の選び方!小学生におススメの面3選 では、面の基礎知識とおススメの面をご紹介しています。
面を選ぶポイントは、
- 肩を守る左右の長さがあり
- 面布団がしっかり詰まっていて
- 老舗メーカーの品(安心を買う)
- (できれば)動きやすい、十字かナナメ刺し
ぜひ、ご一読ください。

小手(甲手)こて
剣道の小手の選び方!小学生用おススメ3選と便利グッズ3選 では、小手の基礎知識とおススメの小手、小手用の便利グッズを紹介しています。
とよクマ
小手を選ぶポイントは、
- 安全性が第一(衝撃吸収力のある布団の厚み)
- 体に合ったサイズを選ぶ
- 使い込みなじむまで1ヶ月ぐらいかかる
- 小学生の小手の値段は高級品でも高くない
- スペアを買い交互に使用すると傷みにくい
- ニオイは対策でかなり軽減できる
身を守る防具としての効果を第一に考え、メーカーの品を選ぶのがおススメです。

胴(どう)
剣道の胴の選び方!小学生におススメの胴3選 では、胴の素材から学び小学生に最適な胴をご提案しています。
胴を選ぶポイントは、
- 小学生未満は軽いファイバー胴
- 小学生以上で、体がしっかりしてきたらヤマト胴
- 竹胴は大人用
- 胴胸は好きなものを選んでOK
サイズが細かくないので、比較的通販でも購入しやすいのが胴の特徴です。

垂(たれ)
剣道の垂の選び方!小学生におススメの垂3選 では、使いやすく付け心地の良い垂を製法とともにご紹介しています。
垂を選ぶポイントは
- 体へのフィット感が一番重要
- ピッチ刺しやクロスステッチ(十字刺し)などの製法がおススメ
- 子ども用のサイズは3種類(メーカーにもよる)
- 3サイズなので通販で買っても失敗しない
垂は何よりもフィット感を大事にしましょう。
フィット感は主に、垂の製法で決まります。

中古で小学生用の剣道の防具で買う
子どもは体の成長が早いので、長い期間防具を付けられません。
つけられなくなった防具は、
メルカリ
に、よく出品されています。
とよクマ
特にスペアの防具を安くねらいましょう。
剣道の防具の選び方!小学生など入門者向け基礎知識まとめ
防具で一番大事なのは、安全性です。
最近では試合で少しでも動きやすくするために、薄く軽い防具がとても多いです。
そればかりでなく、短い防具も多くなり、ついに規制までできてしまいました。
とよクマ
特に小学生は体が成長する大事な時期です。
体も小さいので、ケガがずっと残ってしまう危険性もあります。
とよクマ
最後になりますが、この記事をきっかけに、少しでもご満足した防具の購入につながれば、これほどうれしいことはありません。
ほかにも、剣道初心者向けの記事 など書いていますので、ぜひご一読ください。

剣道着と袴の選び方とおススメ7選 も記事にしています。
こちらも合わせて、ご一読ください。
