「パタハラって何?どんな意味?」
「これって、パタハラかな?」
最近よく出る言葉、パタハラについてレポートします。
とよクマ
パタハラを法律面から考えつつ、具体的な事例も交えて説明していきます。
どこからどこまでが、パタハラなのか。
母ナツ
育児休業の基本的な知識をわかりやすく書いた記事も、ご一読ください。

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パタハラとは意味や定義
パタハラとは、パタニティ・ハラスメントの略です。
パタニティ(Paternity)=父性 です。
とよクマ
どんな状況がパタハラになるかですが、
- 育休取得を断られる
- 育児や家庭に支障のある異動や転勤
- 育児のための時短勤務が認めてもらえない
- 子どもの体調不良で有休が使えない
- 以上のことで、同僚や上司から嫌がらせを受ける
など、男性社員が育児のための法律や就業規則を正しく使えない状況です。
とよクマ
母ナツ
男性の育児休業と時短勤務は、法律で認められた労働者の権利で、会社は拒むことはできません。
さも会社の制度で、上司の決裁が必要かのように、
「今は忙しいから、許可しない」
「わが社に、そんな制度はない」
などの対応が横行していますが、それは間違いで違法です。
とよクマ
母ナツ
パタハラの法律的根拠
会社のパタハラは、法律に違反している可能性が極めて高いです。
同僚や上司が嫌味を言うレベルであれば、法律には触れません。
しかし、育休や時短勤務などの制度を労働者に取得させなければ、完全に違反となります。
育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律
で、すべて定められています。
育児休暇の法律的根拠
第六条 事業主は、労働者からの育児休業申出があったときは、当該育児休業申出を拒むことができない。 (以下略)
第二十一条 事業主は、育児休業及び介護休業に関して、あらかじめ、次に掲げる事項を定めるとともに、これを労働者に周知させるための措置(労働者若しくはその配偶者が妊娠し、若しくは出産したこと又は労働者が対象家族を介護していることを知ったときに、当該労働者に対し知らせる措置を含む。)を講ずるよう努めなければならない。
引用:育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律
一 労働者の育児休業及び介護休業中における待遇に関する事項
二 育児休業及び介護休業後における賃金、配置その他の労働条件に関する事項
6条と21条を、わかりやすくすると、
とよクマ
母ナツ
この法律はフリーランス以外の、どんなに小さな会社であっても、守るべき法律です。
育児が理由の転勤を拒める法律的根拠
第二十六条 事業主は、その雇用する労働者の配置の変更で就業の場所の変更を伴うものをしようとする場合において、その就業の場所の変更により就業しつつその子の養育又は家族の介護を行うことが困難となることとなる労働者がいるときは、当該労働者の子の養育又は家族の介護の状況に配慮しなければならない。
引用:育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律
(再雇用特別措置等)
とよクマ
母ナツ
最近、育休後の報復とも思える転勤の辞令が話題となりました。
- 妻も育休復帰後で慣らし保育
- 家も建てたばかりで慌ただしい
この状況で、1ヶ月の時間猶予も認められず、結局は退職しか道がなかった…話です。
法律の専門家は、
- 育休復帰後の転勤と育休の報復処置との因果関係は立証できない
- 育休復帰後の転勤は法律に違反していない
との見解です。
明確な基準が26条に記載されていませんが、「配慮」の言葉が入る以上、労働者の希望を尊重する必要があります。
とよクマ
あわせて、コンプライアンスの問題もあります。
コンプライアンスとは、法令遵守です。
わかりやすく説明すると、
とよクマ
母ナツ
コンプライアンスを軽視した結果、社会的に制裁を受けることになります。
先ほどの育休後の無理な転勤を強要したケースでは、大炎上の末、企業のブランドイメージを大きく傷つける事になりました。
育児による時短勤務と看病のための休暇の法律的根拠
第二十四条 事業主は、その雇用する労働者のうち、その小学校就学の始期に達するまでの子を養育する労働者に関して、労働者の申出に基づく育児に関する目的のために利用することができる休暇(子の看護休暇、介護休暇及び労働基準法第三十九条の規定による年次有給休暇として与えられるものを除き、出産後の養育について出産前において準備することができる休暇を含む。)を与えるための措置及び次の各号に掲げる当該労働者の区分に応じ当該各号に定める制度又は措置に準じて、それぞれ必要な措置を講ずるよう努めなければならない。
引用:育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律
(略)
三 その三歳から小学校就学の始期に達するまでの子を養育する労働者 育児休業に関する制度、第十六条の八の規定による所定外労働の制限に関する制度、育児のための所定労働時間の短縮措置又は始業時刻変更等の措置
わかりやすく解説してみましょう!
とよクマ
母ナツ
この状況で給料がどうなるかは、企業の就業規則によります。
また、子どものための休暇や時短勤務で、勤務の評価や査定を下げてはいけない決まりもあります。
時短勤務は、希望すれば男性社員でも取得できます。
パタハラの対策と解決策
パタハラの法律的根拠を基に、対策を考えてみましょう。
まずは、企業の担当者に法律的根拠を伝えましょう。
コンプライアンスを重視している企業であれば、すぐに解決できるでしょう。
とよクマ
労基に相談しましょう!
労基は、企業と労働者の間に入り、解決の援助をしてくれます。
また、明らかな法律違反は、厳しい指導が入ります。
とよクマ
母ナツ
注意点としては、困ったらすべて労基に任せると考えるのではなく、自分でも育児に関する法律を勉強し、法律で話ができるようになりましょう。
気持ちはわかるのですが、感情論で話をしても、法律に違反がなければ動けないのが労基です。
どうしても話が通じない場合は、今後会社として成長は見込めないので、見限りましょう。
今の時代、パタハラが横行するような会社に、優秀な人材は集まりません。
パタハラの現状
パタハラを受けた、と感じた人は10%。
つまり、100人いれば10人は経験があることになります。
とよクマ
男性の育休取得率は5%で、全体の半分以上が5日以内です。
母ナツ
ちなみに、1年取得する男性は4%しか居ません。
- 10000人/50人(5%)
- 50人/2人(4%)
とよクマ
母ナツ
データからもわかるように、5%しか育休を取得できない結果から考えると、希望すら出せていない状況でしょう。
そもそも育休や時短勤務、介護休暇の希望すら出していなければ、パタハラは受けようがありません。
とよクマ
母ナツ
つまり、育休の取得率を考察すると、95%の男性がパタハラを受けている状況なのです。
パタハラの原因
パタハラの原因は、残された社員の仕事が大変になり、業務に支障が出るから です。
男性社員が育休を取得せず、会社に出て仕事をしないと利益が上げられない体質なのです。
さらに、業務改善を先送りにし、属人的な仕事が多いのが理由です。
とよクマ
母ナツ
育児休暇=休暇なのでバカンス、お休み
の意識も問題です。
「俺が1年仕事をしてる間、あいつは遊んで暮らすんだ。」
それは、間違った認識です。
ぜひ、仕事より大変だった体験記も、あわせてご一読ください。

とよクマ
パタハラ問題は企業にとってもチャンス
中小企業にとっては、今の時代は本当にチャンス☺️
— とよクマ@イイセンの子育て (@toyo_kuma) 2019年6月4日
パタハラを無くし、男性に育休取得させるだけでイメージアップできる
優秀な人材を確保する、またとないチャンス😊
結局、「モーレツ社員時代の感覚」で止まっている管理職が
上司だから変わらないんですよね😅
業務改善=手を抜く じゃないのに
今の時代は、まだまだチャンスで、コンプライアンスを重視し、法律を守るだけでイメージアップします。
中小企業でも、優秀な人材を確保できるチャンスがあるのです。
大企業が男性の育休をはじめ、働き方の改革に力を入れていますが、まだまだ道半ばです。
とよクマ
母ナツ
育休を1年の完全休暇とせず、半育休もひとつの作戦です。

このように工夫次第で、中小企業でも時代に合った業務改善が可能です。
時代の変化が速い現在では、素晴らしい仕組みのビジネスモデルより、素晴らしい人材を確保したほうが柔軟に対応ができます。
優秀な人材を確保するための、いわば土台ともいえるのが、パタハラの完全排除(福利厚生の充実)なのです。
育休や育児でパタハラを受けたら
以下は、すべて法律違反です。
- 育休を取得したら出世できない
- 育休なんて制度はない
- 忙しいので、介護のための休暇は許可しない
こうした話が出るような会社に、未来はありません。
コンプライアンスを重視できない会社は、必ず衰退します。
とよクマ
母ナツ
今後、男性育休義務化で、男性の育休取得が当たり前になる世の中が目の前まで来ています。

世の中が変わると、一転して育休取得経験のある人間でないと管理職になれない。
なんてことになり、取れなかった…では、後の祭りです。
とよクマ
母ナツ
コンプライアンスや法律の話をしても、未だに仕事一筋の武勇伝が語り草になっているような会社は、自分から離れるのが一番です。
ただし、退職前に必ず労基に相談し、いただけるものはしっかりいただいてから辞めるようにしましょう!
パタハラって何?【意味や定義、法律】原因と対策、解決策を解説まとめ
パタニティ、父性って何でしょう。
Wikipediaには、こう書かれています。
父性(ふせい)とは、家庭において父親に期待される性役割のこと。母性とは異なる質の能力と機能とをいう場合が多い。
引用:父性 – Wikipedia
とよクマ
母ナツ
出産で妻が絶対安静の中、育児や家事をすべて任せてでも仕事をするのが、父性なのでしょうか。
妻ばかりが子どものために仕事を休み、頭を下げて肩身の狭い思いをしなければならないのでしょうか。
自分が家庭で、どんな役割を担うか。
まずは、自分のパタニティをしっかりと確立しましょう。
とよクマ
母ナツ
そして、その役割が仕事により果たせなくなりそうであれば、全力で死守しましょう。
自身のパタニティを、予め会社に伝えておくのも大事です。
仕事一筋で稼ぐ一家の大黒柱=パタニティ は、過去の話です。
例え収入が少なくても、
- 家庭を大事にし
- 子どもの成長に関わり
- 妻の仕事での立場も配慮できる
パタニティのカタチは違えど、この3つは同じではないでしょうか。
自身の権利のために戦うのではなく、子どもの未来のために、パタハラと戦いましょう!
夫婦で協力しながら働き、夫婦で協力して子どもを育てる時代です。

男性の育休をテーマに色々なコラムを書いています。
男性も育休を取得しよう!読みたい記事10選(まとめ記事) から、ご一読ください。