「スポ少の指導者(コーチ)で困っている」
「あれって、指導者のパワハラ(暴言)じゃない?」
スポ少の指導者のことで悩んでいる親御さんに向けて、記事を書きました。
結論から書くと、指導者の承認欲求を満たしてあげましょう。
問題自体が原因ではなく、本当の原因は別にあると考えましょう。
とよクマ
スポ少は基本ボランティア活動なので、心を満たすことがモチベーションのガソリンとなります。
今回の記事では、スポ少指導者の基本的な情報、トラブル解決策など
スポ少の指導者(コーチ)で悩みを持った方の解決を目的としています。
とよクマ
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スポ少指導者(コーチ)はボランティア
まずは、スポ少の指導者(コーチ)の基本的な情報から知っていきましょう。
スポ少の指導者は基本、ボランティアです。
- 指導者は子どもたちに技術を教え
- 運営の大部分は保護者(父母会)の協力
で運営されています。
ほとんどの指導者は、仕事と家庭の余暇でスポ少に関わります。
お父さんコーチや指導者の子どもが多いのは、送迎のついでにせっかくだから自分も。
と練習に参加しているうちに、いつのまに指導者になるケースが多いのが理由です。
スポ少の入会前に知っておきたい!【5つのポイント】 では、スポ少の基本情報をさらに詳しく特集しています。
ぜひご一読ください。

スポ少指導者(コーチ)の資格は必要か
スポーツ少年団を認定する母体の団体(日本スポーツ協会)が、認定員と認定育生員の資格を認定しています。
日本スポーツ協会の資格は、各種目の指導法ではなく、スポーツ全般で生かせる内容を学習します。
スポ少の指導者は、スポーツ協会の資格がなければ指導ができないわけではありません。
親が指導者になることが多い
多くのケースが、小学生からスポ少で競技をはじめ、高校や大学まで続けてきたお父さんや地域の競技経験者が指導者になります。
特に決まった資格がない以上、ほとんどは独学(自分の経験を基に指導)が多いです。
スポ少指導者(コーチ)の報酬や謝礼は
スポ少の指導者の報酬や謝礼は、団体により違いがあり、相場は特にありません。
ぼくの所属する団体は、
- 報酬や謝礼は一切なし
- 試合や遠征のお車代として実費程度支給
- 試合や遠征のお弁当代
ぐらいなので、完全なボランティアです。
スポ少団体によっては、
- 謝礼が出る(1回の練習で2000円や年2万円など)
- やや高価なお中元やお歳暮
- 合宿代
あたりが父母会費から支給されるケースが、よくあるようです。
とよクマ
母ナツ
とよクマ
個人的には、お中元とお歳暮は大事にしてほしいと思っています。
品物自体や金額が大事ではなく、家庭において
「お父さんは、こういうものが届くほど立派な活動をしているのだな」
と、指導者の家族に認識してもらうためです。
スポ少指導は、家族の理解によって成り立っています。
指導者本人はなく、家族に贈るのが、お中元やお歳暮なのです。
報酬がないから面倒なこともある
スポ少は、相互扶助(お互いに助け合い)で成り立っています。
かつてぼくがトラブルに巻き込まれた時に、
「わたしたち(保護者)は、先生方にお金を払ってるんです」
と、言われたことがあります。
ぼくはボランティアなので、
「もらっていませんよ」で話は終わりました。
スポ少の指導者にとって、保護者や子どもはお客様ではありません。
良くも悪くも、お互いがお金で問題解決できないのです。
全員がボランティアなので、話し合いでしか解決の道がありません。
気持ちの部分でしか解決の手段がないのは、運営がうまくいっていれば心強いですが、行き詰っている場合は厳しい環境になります。
お金の話が多くなりましたが、今までのお話しから伝えたいことは、スポ少の指導者は、
自分の気持ちが充実しなければモチベーションが上がらない
のです。
試合の結果も大事ですが、結果以上に指導者への接し方が大事です。
スポ少の指導者に関する多くの問題は、指導者の心を充実させるだけで解決するケースが多いのです。
問題そのもの(建前)に目を当てるのではなく、本音に気づきましょう。
以上を踏まえながら、以下の指導者とのトラブル110番を解決していきましょう!
スポ少指導者(コーチ)とのトラブル110番
スポ少の指導者とのトラブルは、基本的には我慢(スルー)が最も効率が良いです。
我慢というよりは、受け流すのが一番おススメです。
「色々と言いたい、どうにかしたい」
気持ちはよくわかります。
しかし、そこに貴重なパワー(気力)を使っていいのでしょうか。
とよクマ
母ナツ
まわりも迷惑して、どうにもならない場合は、父母会(保護者会)の役員に相談してみましょう。
スポ少の活動は相互扶助なので、指導者であっても
父母会のNO!
を無視するわけにはいきません。
もし、問題の指導者が代表でなければ、代表に相談するのも良いでしょう。
その場合は個人で相談せずに、
- まずは父母会の役員に相談
- 父母会の意見をまとめる
- 父母会から指導者や代表に改善要請を通達
組織(父母会)と組織(指導者たち)で、対応するのが効果的です。
スポ少で一番困り効果がないのは、個別対応です。
正直、ひとつひとつ個別の対応までしていたら、ボランティアではできません。
少しでも手間を減らし、子どもの指導に注力するためには、組織と組織の対応が不可欠なのです。
とよクマ
母ナツ
たしかに問題が大きくなるデメリットはありますし、戦争に発展する危険性もあります。
ですが、問題にふたをしてほおっておくと、どこかで必ず空中分解します。
スポ少がより良くなるためには、問題を早いうちに摘み取っておくのが最も大切なのです。
とよクマ
- 個別で話(クレーム)をぶつけない
- 父母会の意見をまとめる
- 父母会から代表(指導者側)に改善要請
- 指導者側からの改善策を父母会に提示
- 最大のポイントは父母会・指導者共に組織対応をすること
ぼくの考えは、ここまで手間をかけるのであれば
我慢か辞めるか、が良いと思います。
また、子どもが気にしていなければOKです。
よくあるのが、子どもは気にしていないけど、親が気になり騒ぐケースです。
指導者に対して思うことがあったとしても、子どもが気にしていなければ、そのまま様子を見るのが良いと思います。
改めてですが、スポ少の問題で力を使わずに、もっと別の部分で力を使う方が、自分のためになることを冷静に考えましょう。
指導中の暴言やパワハラの解決策
よくあるのが、練習中の暴言やパワハラです。
あれって実は指導者に悪気はなく、練習中に気持ちが高ぶっちゃうんですよね。
とよクマ
同じ指導者として、気持ちはよくわかります。
ですが、悪気はないとは言えど、暴言やパワハラは時代遅れです。
もし相談する場合は、具体的にいつ何を言われたかの記録(メモ)をしておきましょう。
指導者も社会で働く大人です。
とよクマ
暴言やパワハラは、どのラインからと考えればよいでしょうか?
多くの子どもの心が傷付いているか をボーダーラインとしましょう。
本来であれば、心と体の成長のために通っているスポ少も、意味が無いどころかマイナスになってしまいます。
強い言葉での指導は親としては気になりますが、子どもにとってマイナスな作用でなければスルーしてよいでしょう。
- 多くの子どもの心が傷ついているのであれば暴言やパワハラ
- 強い言葉でも子どもが納得していれば気にしない
とよクマ
えこひいきの解決策
スポ少の指導者も人間です。
大なり小なりは、相性で左右されるのは致し方が無いと思ってください。
とよクマ
ぼくのおススメは、どうせならひいきされる側になろう!です。
スポ少の指導者から見て かわいいなと思う子どもは、とにかくよく絡んでくれる子です。
いくつになっても人間は、自分から好きになると人間関係が上手くいくものです。
意外とですが、(技術の)上手さはそれほど関係ありません。(指導者にもよるのでしょうが)
「上手いなー、やるなー…」
ぐらいの感覚です。
そもそも、全員に対して平等 は、想像以上に難しく実現不可能です。
よく「平等じゃない!」とご指摘する保護者がいますが、正直そんなものです。
どこへ行っても、平等で公平な環境なんてありません。
ただ、えこひいきと教育的配慮は別です。
指導者側の考えとして、
- 自分の殻を破ってもらうために出場機会を増やす
- 今は出場機会を増やして経験値が必要
- 逆に今は出場しないことが+になる状況
- この子の力を伸ばすのがチームとして必要だから指導機会を増やす
個人の好き嫌いや気分ではなく、チームのためを考えての行動であれば、えこひいきではなく必要な采配なのだ、と思いましょう。
昔気質の指導者は、あまり多くを口にしませんが、できるかぎり保護者にはチームの方針を伝えたいところです。
とよクマ
- 指導者は子どもや親とのコミュニケーションを大事に
- 親はチームのためと考える指導者の采配が偏っていたとしても我慢
スポ少で大切なのは、個ではなく集団で結果を出す大切さを学ぶ点もあります。
今の時代は、個を大事にする教育が主流ですが、実際は社会に出ると集団の結果が優先されます。
厳しい話ですが、スポ少は子どもなりに世の中の競争主義を学ぶ場でもあるのです。
とよクマ
指導者と相性が合わない解決策
スポ少を辞めたい!【メリット】と子供の心に向き合う でも触れましたが、スポ少を辞める理由の1位は人間関係です。

人間としての常識を疑うレベルの指導者でなければ、基本的には我慢しましょう。
これから先、好きじゃない人と人付き合いをする機会は、年齢とともに増えていきます。
ある意味では、苦手な人と「どう人付き合いをするか」も、コミュニケーション能力で必要なスキルです。
お互いで選んだ者同士でも上手くいかないことが多い(夫婦)のに、選ばない同士が上手くいくことが奇跡と考えましょう。
この問題に限らず、困ったことがあれば、考え方の角度を変えるのは大事です。
とよクマ
この場合のプラス思考は、恵まれた環境だけが人を育てる土壌ではない という考え方です。
指導者(コーチ)を解任させたい
穏やかではない話ですが、110番なので書いていきましょう。
まずは解任の前に、何度かの改善を要求しましょう。
とよクマ
該当の指導者だけではなく、他の指導者にも働きかけ、組織と組織での対応が基本です。
それでも改善しない場合は解任の話になりますが、父母会に解任の権限はありません。
解任の権限があるのはスポ少の代表です。
まずは、父母会で
- 最低過半数以上の同意が必要
- できれば4分の3の同意があると良い
を、集めましょう。
この解任要求決議をもって、スポ少の代表に解任を依頼します。
ただ、ここまでの大事になっているのであれば、もはや救えない状況です。
とよクマ
子どもにとって良い環境とは言えないでしょうから、別の環境に移るのがおススメです。
先ほども書きましたが、無理にスポ少を変えようと貴重なパワーを費やすより、別の何かにパワーを使うほうが、よっぽど自分のためです。
解任の話になるほどであれば、そのスポ少は運営力不足です。
代表の監督不行き届きが原因です。
長くかかわれば関わるほど、チームへの思い入れが強くなります。
とよクマ
もっとも大事なのは、自分の子供の将来です。
いつの間にか、自分の子どものためではなく、スポ少の愛着やまわりの期待に応えるために動いていませんか。
困ったら、黙ってフェードアウトが一番です。
指導者(コーチ)の子が特別扱い
本来は、指導者の子どもは一番不公平でなければなりません。
ぼくの師匠の話ですが、たまたま自分(師匠)の息子の試合の審判をした時に判定で勝負を決める場面となりました。
そこで、優勢である自分の子どもの方に旗をあげなかった、逸話があります。
ほかの2人の審判が自分の子どもに旗をあげるだろうと確信をしていたものの、自分は息子では無いほう(相手)に旗をあげた。
また、5人の枠がある公式試合は、ほぼ自分の息子は試合に出さなかったようです。
40年以上前の出来事なので、今はここまでストイックになることもありませんが、見習うべき配慮です。
ぼく個人の考え方ですが、練習試合中の出場機会が多い程度の特別扱いは容認してあげましょう。
指導者が息子を連れてきた背景には、指導者の奥さんがワンオペで下の子どもを見ているかもしれません。(我が家です)
試合もチーム内で圧倒的に実力差がある場合を除いて、同行するコーチの子どもが出場しないのもおかしな話です。
本来はぼくの師匠のようにストイックに、かくあるべきですが…
貴重な家族の時間を削って、なおかつ無償の指導者です。
ある程度の容認は、仕方がないと考えましょう。
とよクマ
もちろん、あからさまに度を超えたひいきで指導者個人の思惑が優先され、チームに害が出るほどであれば問題です。
指導者の承認欲求を満たすのが解決の近道
別の考え方として、すべての問題の原因は、指導者自身の承認欲求が満たされていないことかもしれません。
普段から、あいさつや感謝の言葉を伝えていますか?
「指導者なんだから教えて当たり前」
のような態度の保護者が、ほとんどだったりもします。
きちんと指導者に配慮をするが、問題解決の近道かもしれません。
ありがとう の反対は、当たり前 です。
当たり前の先には、何も生まれません。
自分の子どもを大事にしてほしければ、まずは指導者を大事にすることです。
指導者のためではなく、最終的には自分が一番得をするためです。
スポ少は相互扶助が基本なので、指導者も保護者も協力し合いながらより良い運営を目指します。
もちろん指導者と言えど、同じ社会人として大人として、平等の関係です。
ですが、上手くいくコツは、ほんの少しだけでも不平等にすることなのです。
ほんの少しだけ指導者を立てれば、それだけでも指導者の承認欲求は充たされます。
- 明日をになう日本の未来のために
- 純粋に子どもの将来のために
- 自分も教えてもらった恩を返す
とても素晴らしい話です。
ただ、このような純粋な気持ちのモチベーション維持は、限りなく難しいものです。
モチベーションの維持と指導者の承認欲求は、切っても切れない関係にあることを覚えておきましょう。
ただ、人によっては周りが受け止めきれない程の承認欲求を持った指導者もいます。
ぼくの経験上、承認欲求が人並み以上の指導者が起こした問題がすべて でした。
ここまでの承認欲求は周りも受け止められないので、あきらめましょう。
逆に、受け入れるべきではありません。
ついつい問題の渦中にいると、大きな承認欲求を受け入れるべきか と悩みますが、はじめに感じた違和感が正解です。
その指導者は、救えません。
あきらめましょう。
最後になりますが、
- 怒鳴る
- わめく
- すぐ怒る
- キレる
こうした感情の起伏が激しい人は、強い劣等感があり承認欲求があります。
満たされないから強い言葉で人を責め、責めるから余計に人が離れ満たされない。
負のスパイラルに陥っているタイプなので、近寄らないのが一番賢明です。
スポ少の指導者(コーチ)と親のトラブル解決110番まとめ
スポ少の指導者は、あるひとつの側面からは華やかに見えると思います。
- 子どもに慕われ
- 保護者から信頼があり
- プレー技術もあり
でもその裏では、
- 家族や仕事を犠牲にしている
- ボランティアでは割に合わない仕事と責任の多さ
- よく親との問題が起こる
と、色々なことを抱えています。
だからといって、パワハラが許されるかというと、決してそうではありません。
ですが、指導者の背景も察してあげてください。
どんな問題も、実はそれほど大きな問題ではありません。
ただ、指導者の心が少しだけ満ち足りてないだけかもしれません。
報酬が発生しないスポ少だからこそ、仕事と違いお金がモチベーションの原点にはなりません。
だからこそ、保護者が意識して心を満たしてあげることで、自然と問題が解決するのです。
とよクマ
報酬がない以上、心で動くのがスポ少です。
心で動く大切さを指導者と親の双方が忘れなければ、運営が行き詰まることはないのだと思います。
まずは、当たり前から
「ありがとう」
を伝るところから、はじめてみましょう。
たったそれだけで、先ほどの雨がウソだった快晴のように、晴れ晴れとしたスポ少に戻るかもしれません。
とよクマ
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